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「バジリスク ~桜花忍法帖~」先行上映会公式レポート

2017年12月29日に、「バジリスク ~桜花忍法帖~」第1話、第2話の先行上映会が新宿バルト9にて開催され、上映後には甲賀八郎役の畠中祐さんと伊賀響役の水瀬いのりさんが登壇し、トークショーが行われた。

 MCのサンキュータツオさんが呼び込むと、キャラクターをイメージした青とオレンジ色の袴姿で現れた畠中さんと水瀬さんに大きな歓声が。
 畠中さんは冒頭で「(幼少期を演じていないため)1話、2話は出ていません!」と話し、早速会場は笑いに包まれる。そしてそれに合わせるかのように水瀬さんからは「まだ本編では一言も話していない畠中さんと一緒に、作品について話していきたいと思います」と挨拶があり、更に大きな笑いが起こっていた。又、袴を初めて着たという水瀬さんは、「振袖が中に入っているんです!」と、その仕組みを必死に説明。最終的には「これをこうしました!」とジェスチャーでまとめるその可愛らしい姿に、和やかなムードでトークショーはスタート。

最初の話題は上映された第1話、第2話の感想について。
「甲賀忍法帖からの続きということで、二人(八郎や響)の背負っている宿命や、(甲賀忍法帖の主役である)朧や弦之介なども含めた、それぞれの想いがいろいろと織り混ざり、新しい葛藤がみえてきた1話、2話だったかと思います。あととにかく登場してくる忍者達の濃さといったら」と畠中さん。2話で早速甲賀五宝連の1人が退場してしまった件については、これからまだ様々なことが起こると示唆した上で「覚悟してください」と力説していた。
「実はアフレコ現場で1話をみんなで見たんです。その映像にはアフレコの時には入っていなかった馬の足音や嵐の効果音などが入っていたんですが、もう映画をみているような迫力で。今日劇場で見ていただけてピッタリだったんじゃないかと思います」と水瀬さんからも熱い言葉が飛び出していた。

次に、印象に残っているシーンを聞かれると、2話で描かれた八郎と響の崖下でのシーンが話題に。
「二人の葛藤が始まりそうな予感といいますか、そのすれ違いがみえて。先を知っているからこそ苦しかったです」(畠中)
「八郎はすごいクールな男の子なので、多くを語ってくれないことでの響の葛藤みたいなのもあって。今後もそういうシーンが多いです」(水瀬)
この言葉を聞く限り、このシーンでの二人のやり取りは、今後においての八郎・響の関係を暗示する大事な場面のようだ。

又、幼少期を演じていない畠中さんも、毎話アフレコの見学をしていたとのことで、その理由を聞かれると、「甲賀八郎を、國立さんの芝居をちゃんと引き継いでいかなきゃなと思い、間近で見させていただきました」と八郎へと臨むその気合はかなりのもののようだった。

 続いて、役を演じる際に意識したことはあるかという質問が。
「幼少期は純真無垢なところをすごく大切にしました。響が出てくるシーンはほっと一息ついていただけると嬉しいなと思いながら、のほほんとのどかに演じるよう心がけています」(水瀬)
「なぜ淡々とクールにみえるのか、ちゃんと考えないといけないキャラクターだと思いました。それは彼が目的に向かって一直線に進んでいるからで答えが決まった男なんです」(畠中)
ここでも二人からは役に取り組む真っ直ぐな想いが語られた。ただ、どうやら畠中さんは、八郎と自身との性格の違いを感じているよう。
「僕自身がクールではないので。よくアフレコ現場で見ていらっしゃるかもしれないですけど」と水瀬さんに話しかけると、「すごい前のめりです!椅子から落ちちゃいそうで空気椅子みたいな状態で」と畠中さんのアフレコ現場での様子を語り、その姿を想像したのか、会場では再び笑いが起こっていた。
そんな様子をみてか、畠中さんはすかさず「八郎は背もたれに背中をつけてちゃんと座れる人だと思うので、そういうところはちゃんと意識しなきゃなと思っています」としっかり八郎の話へと転じさせていた。

次に、共演の先輩役者の方々について聞かれると、「勉強になるというレベルを超えています!」という畠中さんの発言に水瀬さんも大きく頷き、「セリフというより本心のようで、そこにキャラクターがいるみたいです!」と話し、まだ20代である二人にとって刺激的な現場になっているようだった。

続いては、もし忍に生まれていたらどんな術を使いたいかという質問が。
畠中さんは自信満々に「絶対透明人間!でしょ?男子達!」と来場した男子達へ呼びかけると、会場からはまたも大きな笑い声とそして拍手が。水瀬さんはそんな男子達の途方もない夢に「興味ないので」と可愛らしく呆れながらも、お題に対しては「戦うのが嫌なので、隠れる系がいいです。トラップや小細工のスペシャリストですかね」と桜花忍法帖のキャラクターの中では根来転寝タイプが良いとのこと。

そして再び八郎と響の話題へ。
それぞれが背負っている宿命についてどう思うかという内容に、畠中さん、水瀬さん共に感じているのは「棟梁は難しい」という点。
「忍びは(雇い主に)従っている立場だから、時には血を流させることを厭わない冷静さが必要なんですが、八郎も響も優しい人間なので、その葛藤がこれから生まれてくるだろうなと思います」と語る畠中さんの言葉に続き、前作の甲賀忍法帖から続く二人の瞳術の恐ろしさについて話を切り出す水瀬さん。「計り知れない能力が眠っているので」と気になる言葉を残していた。

又、徳川三代将軍家光の弟である忠長の話題へうつると、「僕みたいです!」と元気よく話した畠中さん。「目の前のことにいっぱいいっぱいな様子で親近感が湧く」そうだ。
そして水瀬さんは「ずっと苦しそう」と表現。「すごい葛藤の連続なんです。いつも苦しんで自問自答しているんですが、殿ということもあって一人で背負いすぎていると思うので、どうにか救われてほしいです」と、忠長も今作で注目すべきもう一人のキャラクターであることが語られた。

そして、テーマソング等の楽曲へと話が及ぶと、畠中さんが(エンディングテーマと甲賀忍法帖で朧を演じていた)水樹さんと現場で会った際に、「(バジリスクは)すごく大切な作品で、いろんな登場人物の想いがこもっているので、桜花忍法帖にもその気持ちを託したくて、(今作のエンディングテーマは)そういうのを全部込めて書いた曲」という話を聞いたとのこと。水瀬さんからも「歌詞も映像も愛がこもっています」と力強い言葉が飛び出し、オープニング映像ではキャラクターの成長していく姿も見どころだと語っていた。

続いて今後の注目ポイントについて。
「八郎と響はもちろんなんですけど、子供達のそれぞれ抱える想いであったり、人生であったりが濃厚に描かれていく物語になっていますので、じっくり楽しんでいただければと思います」(畠中)
「この先、理解が追いつかない、それは本当に術なんですか?という強い忍達もまだまだ出てくるのですが、一人一人の散り際まで丁寧に描いていただいていますし、役者としても最後の一言まで情熱を持って演じています」(水瀬)
幼少期から青年期まで成長していく姿、そしてそれぞれの散り際が注目ポイントという、まさに忍法殺戮合戦を描くバジリスクらしい展開が待っているようなので、最初にあった畠中さんの言葉通り、どうやら視聴する上では「覚悟」が必要なようだ。

そして最後に、二人から放送を楽しみにしている方々へメッセージが送られた。
「これから先、八郎と響の運命が描かれていくのですが、心熱くなる展開が待ち受けていますので、是非放送を楽しみに待っていただきたいです!」と水瀬さん。
そして、畠中さんからは「オン立派に散り候え(桜花忍法帖のキャッチ)という言葉通り現場で散れるように…」という発言が。それを聞いた水瀬さんから思わず「えー!座長ですから!」と声があがり、再び笑いが起こっていたが、改めて畠中さんから「しっかりと引っ張っていけるように棟梁として頑張っていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします!」と挨拶があり、この日のイベントは終了となった。

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